小説 『アルジャーノンに花束を』 ダニエルキース
本
2008.10.12
- おススメ度:
32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。
コメント
ダニエル・キイスの
『アルジャーノンに花束を』 です。
とても面白かったです。
お勧めです。~~-v(* ̄・ ̄)。。o
あらすじは
知能の発達に障害がある主人公に知能、記憶力を伸ばす為の実験、手術を行う。手術は一応成功し主人公は一般人を追い越し、天才並みの頭脳を持つことになる。
知識を手に入れた主人公は過去の自分に与えられていた環境、行為、扱いなどを理解するようになりそれに対して苦悩したり憎んだりするようになる。
恋愛に関しての感情も発達し人を愛したりもするが、過去の自分が枷になり順調にはいかない。
知識を得て、失ったもの、手に入れたものがあり、手術の是非について悩む。
そうこうしている内に自分の知能が元の状態に戻っていくことを知り、手に入れた知識を失うことに困惑する。
というような内容です。(かなりハショっています)(* ̄▽ ̄)ノ
全体を通して本人の経過報告書という書き方で進んでいきます。
内容についての感想は「結局、主人公は賢くなってよかったのだろうか?悪かったのだろうか?」
と考えてしまうような状況を障害者に対して強いている一般的な人々(自分を含む)の無意識下の意地の悪さ、差別に嫌悪しました。
小説の中にも出てくるのですが、知的障害を持っている子をからかって周りが盛り上がるというような光景は僕自身も子供の頃体験したことですし今も普通にあることだろうと思います。
しかし身体的障害を持っている子をからかうという状況では周りが盛り上がるということは少ないと思います。
これは身体的な障害をからかうことは人道的にどうか?
人と人との付き合いとしてどうか?
というような感情が働くからだと思います。
これを踏まえて前者を見ると一般大多数は前提として知的障害を持つ者を人として扱うことはない
ように感じます。
「関わっていない、していない」
という人でさえ大半が知的障害者を他の障害者とは違った見方をしているでしょう。
僕もその一人です。
これは差別される知的障害者が差別を理解できない
ということから簡単に引き起こされるのではないでしょうか。
普通、人は 対“人” とのコミュニケーションで
その事が悪いのかそうでないかを相手の感情を基準に考ます。
しかし知的障害者の場合反応自体がずれてしまうので
(からかわれているのに周りが笑っているから一緒に笑ってしまう。等)
加害者側も悪いことをしているという感覚が薄れてしまいます。
もし知的障害者が普通の思考ができたならこの状況をどう思うだろう?
その答えの一つがこの本にあるような気がしました。。。。と
こんなグチャグチャしたことを僕は考えながら読んでましたが、そんな事を抜きにして普通に小説として楽しめる内容なので興味ある人は是非読んでみてください。
(m。_。)m
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