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『ラッシュライフ』、『重力ピエロ』 伊坂 幸太郎

2008.12.21

おススメ度:
『ラッシュライフ』
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

『重力ピエロ』
半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

コメント

二冊とも面白いですよ。。。
てか今んとこ『モダンタイムス』以外は
自分の中でですけど
「ハズレなし」
な感じですね。(*^-^)

『ラッシュライフ』は
泥棒、殺人、金持ち、強盗、リストラ中年、浮気、宗教
いくつかのストーリーを平行して進め、
絶妙のバランスで各ストーリーを絡めていきます。
最後まで各ストーリーが縦に繋がることはないのですが、
それでも横一線で各物語が並んでいる感じがとても気持ち良いです。

『重力ピエロ』は
レイプで生まれた子の復讐ストーリー。。。
一言でいえばそうなりますが、
それではなにか言葉が足りない感じです。
伊坂幸太郎の作品を読んで共通しているな。と思う点がいくつかあります。
「作品の文体がPOPで分かりやすくスラスラ読め、嬉しくなる伏線(わかりやすい?)や過去の作品の登場人物を他の小説で登場させるという読者を楽しませてくれる要素をそこかしこに出してくる。」
というものの他に反社会的というか、反法律的というか、
一般に社会で僕らが生まれてきた時には「正」として定められた「ルール」に対してどの作品の中でも「?」を投げかけ、
時には否定して物語の中に新しい「ルール」を作り出します。

『オーデュポンの祈り』の登場人物「サクラ」などはその代表ではないでしょうか。
こういう点から見ると
「作家とか音楽家とか芸術家とか何かを形にする人達の原動力になりえるものは
美や喜怒哀楽に対する表現も勿論なんですが
反体制の気持ちというのも共通してあるものなんだな。」
と感じます。

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