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小説『豆の上で眠る』湊かなえ を読みましたので感想を

2017.11.26

おススメ度:
行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

コメント


この話は入り込むのに少し時間がかかりました。

湊かなえさんの作品は最初から入り込まされて、怒濤のように物語を脳みそにインプットされるパターンとテンポがあまり良くないパターン両方ある印象ですがこれは後者ですね。

ただ、「面白くないか?」と言われれば、そんなことはなく十分に面白いストーリーでした。

豆の上で眠る??

アンデルセン童話に「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というお話があってそちらが本作の鍵になる要素をになっているのでこのタイトルになっています。

本物のお姫様かどうかを試すために「固いエンドウ豆の上に20枚もの敷き布団を敷き、その上で寝てもらいエンドウ豆に気づくか反応をみる」という僕からすると「?」な作品でした。

じわりと怖い感覚

今回の題材として誘拐が絡んできますが、そもそもこれが怖いですよね。

作中でエピソード的に出てくる誘拐されて5年間も首輪をされ、犬として飼われた女の子って・・・怖すぎです。。

実際にモチーフになったような事件ありますし…

家族に知らない人がいる

でもじわじわくるポイントとして自分の一番安心できる「家庭・家族」内に知らない人が入り込み、それを皆が認識してくれないというところの方がこのストーリーの怖さだと感じました。

依存している人のおかしな行動

次点で家族(母)の少し狂ってくる様子にもぞわりました。

子供を使って容疑をかけた人間に探りを入れたり、そのためにペットを飼って・・・みたいな手段を選ばなくなっていく方向も中々ですね。

伏線をあえてスルー

事件の真相にたどり着くまでに怪しそうな人が数人出てきましたが、多くは最終的にスルーされた事に逆になんだか現実感を感じました(笑)。
…忘れたわけじゃないよね…?

…指輪の件は生かさなくて良かったのかな…。

…嘘つきの子とかの生かし具合はあれで良いのか…。

…結局、あの変態っぽい人なんやったんやろ……。

感想

今回のテーマは「本物ってなにかな?」ということだと思いますが、そこはかなり薄まっています。

ただ題材・ストーリーにインパクトあるので、どの登場人物の視点から描くかでいろんな話に化けそうだなと感じました。

特に「姉」視点から書いたりした話はそれはそれで面白そうな気がします。

それでも今回の妹の視点で書いていくことじたいがなんだか湊かなえさんぽいなぁと。

まとめ

面白くない本読むくらいなら読めば良い!

でも最優先に読まなくても良い!!

湊かなえ入門としてはオススメしない。僕的には未だにデビュー作の「告白」がベスト!

という感じでしょうか。

さて小説を少し買い込んでしまったので読んでいかなきゃなぁ。。

▼豆の上で眠る


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